お昼ごはんを食べて気持ちよくシェスタ中だった店主のもとに突然
「排気ガスが臭くて乗ってられないので 直してほしい」と電話が掛かってきました。
お車は「スバル360」 例のかわええヤツであります。
早速引き取りに伺い、工場まで乗って帰りましたがオーナーの言うとおり帰る道すがら
室内に排気ガスが充満して息苦しくおまけに目が痛くて涙が止まりません(ToT)
ヘタしたら一酸化中毒もしくは火だるまになり本当に赤いてんとう虫みたいになるやも(>_<) どちらにしてもこのままでは車に乗りながら逝ってしまいそうです。
これは尋常じゃないと思い工場にてすぐに点検です。
スバル360
目が痛い原因は燃料タンク直下の「ストレーナー」から燃料がジャジャ漏れでした。
ちなみに上の画像の床の染みは燃料が大量に流れた跡です。
とりあえずリフトに載せますがしかしお久しぶりのご対面です。
「燃料漏れ」の原因であるストレーナーを外します。
このストレーナーは以前にも燃料漏れを起こしておりその時はOリング仕様にして
切り抜けました。この故障はスバル360の持病みたいで360オーナーの方々の
悩みの一つでもあると思います。
今回もどこから漏れてるのかじっくりと点検します。
前回作ったOリング部分はOK!本体とカップの間のゴムパッキンが怪しいので
パッキンを新品にして車体に組付けてみますがやっぱり漏れてきます。
燃料を拭きながら更に観察を続けるとどうもストレーナー本体の鋳物部分から漏れて
きているのが分かりました。どうも鋳物に微かにクラックが・・・ _| ̄|〇
まさに最悪の事態が発生。
いろいろと調べてみましたがストレーナー本体はどこにもなく一瞬ロウ付けでもと
考えましたがなんせ燃料部分なんでひとつ間違えたらエライことになります。
打つ手なしでどうしようかと途方に暮れていたとき「フッ」と閃きました(゜゜)!!!
「スバル360は燃料タンクから直の落下式やから2stバイクと一緒のやり方。
なのでこのタンクの口に合うアダプターを作って鬼門のストレーナーを取っ払って
配管の途中にフィルターを割り込ましてキャブに直で繋いだらいけるのでは?」と。
早速、各部を採寸しいろいろ使えるものがないか調べましたが残念ながらそんな簡単にはありません( 一一)
なので知り合いにお願いして「アダプター」を製作してもらうことに・・・。
燃料アダプターの製作
寸法を細かく指定して旋盤にて削りだしてもらいます。製作してもらっている間に修理に必要なパーツを集めます。この車、元々キャブもオーバーフロー気味なのでキャブのオーバーホールもこの機会に作業することに決定しました。
キャブレターのオーバーホールを開始!
シンプルなキャブです。
キャブレターを脱着します。
新しいガスケットやフロートを準備しておきます。
バラすと中には結構サビだらけでした(゜゜)
純正のしょぼいストレーナーじゃダメだということですね。
キャブレターを洗剤の中にしばらく浸けときます。
キレイになったので乾燥させて各ジェット&通路を確認して組付けていきます。
フロート
各ガスケット
各リンク部分もチェックして問題なければ各部を組付けていきます。
キャブレターのO/Hが完成!
キャブのO/Hが無事に完成しました。
O/Hしたキャブをエンジンに組付け。そしてお願いしていた「燃料アダプター」が出来上がってきました!
製作してくれた方にほんとに感謝です。
燃料アダプターを組付けるとこんな感じになります。
ホースの途中に燃料フィルターを割り込ませれば完成です(^^♪
すぐにエンジンを始動してテストしてみます。
すると漏れに漏れていたあの燃料漏れが完全に消え去り
逝ってしまいそうな排気ガス臭もなくなりました。
やりました。大成功です!( ̄▽ ̄)
デストリビューター
焼損した点火ポイントも交換しておきます。
新品の点火ポイント
ローターと点火ポイント。ローターは磨いて再利用。組付けて点火時期を調整したら
これにて手こずったエンジン関係の修理が完成!(^^ゞ
今回製作して戴いたアダプターによってスバル360の燃料漏れが改善されました。
本当に自分でもよく閃いたなと自分で自分を褒めてあげました(笑)
「コロンブスの卵」じゃありませんがこれがこれからスバル360の修理の定番に
でもなれば店主も嬉しい限りです。ではでは(^^♪
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